DNA=伝統で日本を遊ぼう
全身の血菅がざわっとくるような興奮を覚えたことはないだろうか?
何かに感動した時、達成感を得た時。
それは、体内に潜在するDNAの為せる技。
DNA=デオキシリボ核酸。
「核酸の一種。地球上の多くの生物において遺伝情報の継承と発現を担う
高分子生体物質である。」(Wikipediaより)
DNAそのものは無機質であって、感情を沸き立たせる要素はない。
記憶における遺伝要素を司るのは「meme」という「環境遺伝子」というものらしいが、
「身も心も一体」の日本的な観点から、あえてDNAという言葉をここでは使う。
生物学的ではなく、日本文化の中で育った者としてのDNA。
日本について、自分は何を知っているのか、と思う。
島国において、海を渡って伝えられてきた様々な文化を、
我々の先祖は貪欲に吸収し、発展させてきた。
今日、伝統文化と呼ばれるそれらは、明治維新、第2次世界大戦という、
欧米に追いつけ追い越せの風潮の悪影響により、
自分たち本来の文化を遠ざけ、無用の壁を作ってしまった傾向があるように思う。
海外の友人から日本のことについて質問を受けた時、
自分の無知ぶりに愕然とすることもある。
「興味はあるけど、マナーを知らない、恥をかきたくない、敷居が高いし、きっかけがない」
真に伝えられてきたものは「技術」ではなく、「心」であるはずである。
自国の文化に対して、このような感覚を持つことは、これから先への危機感さえ覚える。
 
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国際化・グローバリゼーションと言われるこの時代だが、「国際化」とは何だろう?
英語が話せること? 海外留学、旅行をすること? 
海外ブランドを数多く知っていたり、購入したりすること?
それらも異なる文化を知る上での有効な手段ではある。
しかし、最も大切な国際化のための必須条件は「己のアイデンティティを知る」ことにあると思う。
自分の生まれた国の風土、歴史、文化を知ること、それらを根として、今ある己に自信と誇りを持つこと。
そうして初めて、国籍、民族を越えたコミュニケーションをとることが可能になるのではないか。



 
                                                          藤本 ゆかり

撮影:Ryousuke Asanuma