干支シリーズ

Oriental Zodiac works

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近年、年賀はがきにくらいしか登場しない干支の動物であるが、本来はその1年の守り神である。

牙や鋭い爪を持っていること、早く走れること、空を飛べること等、人間の持たない天賦の能力に我々の先祖は畏敬の念を抱き、

多産による一族繁栄などの願かけをしてきた。

居住区が線引きされている現在の姿は、「開発」という大義名分に隠れた人間の自然破壊の結果であり、

生活圏を奪われた動物たちを害獣扱いするのは本末転倒である。

人もまた動物の一種に過ぎない。より良い道を探り、人も自然も動物も豊かに共存できることを願う。

「干支シリーズ」はそのような願いを込めて制作した作品群である。

撮影はそれぞれの動物にまつわるエピソードに基づいた場所で行っている。

コンセプト、衣装、撮影まで、全てセルフプロデュースによる。

In recent years, there are few opportunities to remember 'Oriental zodiac animals' in our daily life, just only using for a signature in New Year's postcards and other few examples, even they are the guardian god of each year originally.

To have fangs and sharp nails, run fast, can fly the sky, those animals have ability which human begins doesn't have, and our ancestors have expressed awe in them.

Because of the urban development, the distance between humans and wild animals has gone away (excluding small animals such as pets).

The world does not belong to humans. We are also just a kind of animals that survive in the world.

I really hope to find a better way and to coexist people, nature and animals richly.

 

"Oriental zodiac series" is self-produced work based on such wishes.

The idea of each cosutume and the shooting place was based on episodes related to each animal.
 

午・2002

馬といえば思い出すのが小学校の国語の教科書にでてきた三好達治の「大阿蘇」という詩である。「雨がしょうしょうと降っている」と音楽のように繰り返されるフレーズと、その雨に濡れそぼりながら阿蘇山麓で草を食む馬の姿のイメージが今でも鮮明である。 小学校時代の記憶はその後人生のすべての基盤を成すといっても過言ではないと思う。同じく、小学校時代に読んだ斉藤隆介著の「天の赤馬」が記憶に残っている。東北の隠し銀山を舞台にした百姓一揆の物語だが、その銀山の炉のが山に映し出す炎の陰が天に向かっていななく馬のように見えるという光景は、滝平次郎の影絵の迫力とともに刻みついて離れない。 この二つの記憶がこの馬の作品となった。馬は干支では午であり、方位は南、色は朱、季節は夏で時刻は正午を司る。エネルギーそのものの象徴である。 撮影:熊本県阿蘇山麓